実を言うと余り眠れなかったんです。３時間程しか寝ていなかった気がする。やはり何かしら思いが入る遠征となると高揚してしまっているのだろうか。

そして期待と不安の中の長崎遠征でしたが、思い出に残る遠征の一つに確実にエントリーした、そんな長崎遠征となりました。

最高のチームと最高のサポーター仲間達との最高の旅。きっとまた思い出す日もあるだろう。初めてNW北九州を観た時のあの肌身に触れる親近感と果て無き未来への確信は間違いじゃなかった。そう思える旅だった。



『AM０８：３０　BRIGADE０２小隊』
早くに目が覚めて、落ち着かないのでとっとと家を出た。役に立つのか足手まといなのか、未だに僕の中で評価の定まらない学徒兵を三萩野で拾って某集合地点に向かう。

今回、遠征志願者が多いため本隊から外れ第二小隊を結成する運びとなった。ヨネさんとNさんとは初めて一緒に遠征する事になったが、本陸やアウェイで度々顔を合わせていた事もあって特に初めて会うという気はしない。
須恵でOGYさんを回収して０２小隊は集合を完了した。OGYさんは相変わらず僕のメールをシカトする傾向にあるが、止むを得まい。彼は家族を犠牲にしているのだ。

ヨネ氏のハイスペックなオデッセイのおかげで、ヨゴレ揃いの０１小隊とは段違いの快適な旅を進める事が出来た。小隊全員が長距離遠征の経験があるせいか、佐世保辺りならご近所感覚である。


『AM１０：４５　BRIGADE in 佐世保』
到着した頃には既に０１小隊のヨゴレメンバーが荷物を降ろしていた。続々と本陸の常連さん達が到着している。競技場前は黄色い服を着た人達が目立つ程だ。

残念だったのは期待していたシドーさんのサプライズ参加やハイテンション芸人サポーター西ヤン、北九サポーター王子の翔太くんがいなかった事だろうか。他にもいるだろうと思っていたのにいなっかた人がいてちょっぴり寂しかった。

それでも上海人グーヤンやらS・G・R１号２号さん達、たぁさん夫妻や商工会の恐い人達、Fちゃんファミリー＆腹黒さんファミリーなど本城のヨゴレども常連の皆様が姿を見せてくれてホッとする。他にも話をした事はなくても本城で見かけた事のある人達が大勢駆けつけていた。
負ける気配がしねぇ。この日、佐世保に来たくても来れなかった人達、NWの勝利を願っているまだ出会っていない人達の分までも精一杯やるぜ。

再会を喜びつつ僕はさっそくビールをかっ喰らう。佐世保地方は曇りの予報だったのだが、強烈な日差しが降り注いでいる。晴れ男の社長も来ているのだろう。あの男にかかれば曇り予報など簡単に晴天になってしまう。余りの日差しに『社長は晴れ男っぷりを少し自重すべき』との意見まで出る始末。


準備を終え、のんびりしているとどこかで見た事のある男が近づいてきた。２００７年九州リーグ優勝メンバーの山田浩稔選手だった。去年の天皇杯の長崎で行われた試合でも顔を出してくれた。
NWが長崎に来る度に来てくれる義理堅い男よ。九州リーグ優勝＆地域決勝突破の時のチームは本当に思い出深い。楠や萬徳や南は元気にしているだろうか。

ところで今回の会場となった佐世保市陸上競技場というのはこじんまりとしていてトラックが青いという、どことなく笠岡を彷彿とさせる競技場だった。我々が陣取ったゴール裏は傾斜が緩くて観にくい。そんなわけで試合内容についての正確さは不問に伏して頂きたい。だって向こう側で何が起きているのかサッパリだったもん。まぁ普通に観られている時でも正確さは怪しいんですが。



'09JFL第１０節
V・ファーレン長崎　１－２　ニューウェーブ北九州

伝統的に「サイドをえぐって猛攻を加える長崎」 ｖｓ 「堅守で凌いで必殺カウンターの北九州」みたいな展開が多かった気がするこのカード、前半途中までは大体そんな雰囲気があったような感じ。でも何かちょっと違う・・・。

失点を喫した時もあまり焦りは感じなかった。なんだろうか、観る場所がいつもと違うせいかも知れないが長崎の動きが遅い気がする。

遠くの方で北九州の選手が突破を仕掛けて倒されるのが見えた。PAの外だと思っていたが内だったようでPKゲット。佐野選手がゴール右側に蹴り込んで同点。
その瞬間、メインスタンドから歓声が挙がって思わず振り向いた。PKが外れて長崎の観客が喜んだのか思ったからだ。よく見るとメインスタンドアウェイ側には黄色い服を身に纏った人達がたくさんいた。手を挙げて喜ぶ彼らを見て北九州のPKが決まったのだとやっと確信できた。なんなんだ今日のアウェイは。

前半は長崎のサイド攻撃に振り回されるシーンもあったが、全体的な流れは北九州にある。得点のニオイは北九州の方がまだある。

後半に入ると北九州が圧倒的に攻め始める。中盤のパスワークがポンポン繋がり、そこから相手サイドへ切り込むFWにボールが供給されていく。長崎はフォーメーションを変えたのか判らないがサイドをえぐる攻めが鳴りを潜めて受身になっているように見えた。

不意に混戦から佐野選手から大島選手に相手DFの背中をすり抜けるようなボールがぽーんと出た。
大島選手が体勢を崩しながらも相手GKと一対一になるかと思われた瞬間、倒されてPK。
これはもう佐野選手のパスがあまりにもキラーだったとしか言いようがない。

そのPKを佐野選手がきっちり決めて逆転、その後も北九州の勢いは衰えず、リードしていながら宮川選手や長谷川選手を投入するなどのドS采配で長崎を押し込みまくる。数えていないので判らないが、感覚的に長崎の倍以上のシュートを打ち込んでいたように思う。

試合終了と同時にこの日何度目かのモッシュ祭り再開。異常なテンションになってしまったソメザイル氏が祭りに参加した為、負傷者続出。団長の脚立クラッシュなどこの二人は明らかに身内にダメージを与えようとするから困る。


こうして北九州は絶対に勝たなければならない試合を勝利で終えた。
アウェイで長崎相手に逆転勝利。
満面の笑顔の選手達や異常なテンションになっているサポーター仲間達の横顔を見ながら、僕自身、興奮を抑えきれないでいた。

NW北九州はゆっくりだが確実に成長している。今日の選手達は本当に強かった。最高のチームに近づきつつあるだろうか。チームも、僕らも、少ずつ成長しているのだと自信を持てた一日だった。


突然、団長がピッチに向かって『オレは長崎と一緒に上がりてえんだよ！』と叫んで長崎コールを始めた。
今まで長崎に対して散々毒を吐いてきた団長を知っているだけに少し驚いたが、きっと本心だろう。

僕もそう思っている。
負けた時の悔しさも勝った時の喜びも凄まじい。 相手がどこだろうといつだって本気だが、ここまで容赦なく本気になれる相手はやはり強く憎らしい長崎だった。

僕らは今年、JFLを駆け抜けるぞ。必ずだ。
先に行って待っている。


『PM１７：３０　勝利の佐世保バーガー』
さて、仲間達と本城での再会を約束し別れる。それぞれがそれぞれの帰路に着く中、行きの道中で『勝ったら佐世保バーガーで勝利祝い』の公約通り、近くのバーガーショップで獲物をゲットする。さっき別れたはずのume-taroさんと再会。同じ事を考えていたようだ。

全員でスペシャルバーガーというのを注文した。美味い。美味いんだがボリュームが凄ぇ。こんなにガッツリ喰えるとは。恐るべし佐世保バーガー、小腹を満たすってレベルじゃねーぞ。

ついでに店のそばにあった海上自衛隊の資料館で、自衛隊についてトンチンカンな知識しか持たない学徒兵にBRIGADE社会科見学を実施してやりたいところだったが、この日の疲労と満腹のおかげでそんなエナジーは微塵も残っていなかった。

強い日差しを浴びながら叫び過ぎたせいか頭がクラクラしている事に帰りの車中で気がついた。運転するつもりでいたのだが、結局は行きと同じくヨネ氏に運転してもらい、僕は助手席で居眠りをブッコイていた。
申し訳ないと思いつつも、こんなに気持ちのいい疲労は久し振りな気がした。体調は良くないが気分は最高に良い。


『PM２１：００　うちに帰ろう』
これで僕らはJFLの最終コーナーを軽やかにターンした。
視界は広がっている。目の前には最早ストレートコース。

もう何も恐れる事はないね。残り七試合、全勝の勢いで突っ走るのみ。
そんな話をしながら須恵でOGYさんとお別れ。画像は不審者のように立ち去ってゆくOGYさん。『家族を大切にね・・・』という僕の優しい視点が感じられる写真ではなかろうか。

そして小倉某所にて０２小隊解散、学徒兵を三萩野で放置してとっとと行橋に向かう。別れ際、学徒兵に『家に帰るまでが遠征っすよ！』と声を掛けられ不覚にも『おう！まかせとけ！』と勢いよく応えてしまう。
そんなよくわからんやりとりをしつつ、僕の頭には今日中に返さなければいけないDVDがあった事を思い出していた。だりぃ・・。

今日の更新が遅れたのは、一旦家に帰った後、DVDを返しに行っていたからである。


最後に、ヨネさん、運転お疲れ様でした。モッシュ祭りでダメージを受けていたNさん、家族を捨てて佐世保に行ったOGYさん、お疲れ様でした。おかげで楽しい遠征でした。学徒兵・・・うん、まぁ、お疲れ。


最後はグダグダになってしまいましたが、今季のアウェイ遠征は終了です。ホーム皆勤は引き続き狙っております。戦いはまだまだ続く。