2025 01,15 09:22 |
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2009 11,03 19:59 |
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昨日、思い出したように本屋へ出向き探したが結局地元では見つからず、少し足を伸ばしてサンリブシティ内の本屋で発見した。 最初で最後のNW本とも言われている吉崎エイジーニョ氏の新著『オトン、サッカー場へ行こう!』。非常に興味深く読んだ。 まず、この本はサッカーをテーマにしてはいるが、選手やチームが主人公ではない。 物語の骨格はあくまで『定年退職後の頑固なオトン』と『オトンを外に連れ出したいボク』の間に生じる反発や葛藤、微妙な関係の変化であり、選手やチームや戦術など専門的な知識はほとんど必要ない辺りが従来のサッカー本とは一線を画している部分である。 それでいてサッカーを取り巻く人達のリアルな生態に、サッカーに興味がある人、或いは地元に贔屓のクラブがある人なら思わずニヤリとさせられるだろう。それはどこのクラブにでも、誰の周りにでも起こり得る会話や行動であり、特にJFLや地域リーグのサポーターなら深く共感されるのではなかろうか。 もちろん、サッカーにそれほど関心のない人も、サポーターというある種、特異な世界に足を踏み込んでしまった『オトン』の冒険を面白く読めるのではないか。 サッカーに関心のなかった『オトン』が熱狂的なサポーターに化けるという単純な結末ではない。最後に浮かび上がってくるのはチャレンジを終えた後のリアルな『ボク』、リアルな『オトン』であり、リアルな親子の姿である。 このチャレンジの顛末は著者が北九州訛りの文体で『オトン』へのメッセージを送る形で締めくくられる。それは恐らく著者がこの企画を立ち上げた時から、いや、立ち上げる前から『オトン』に伝えたかったメッセージなのだろう。 著者は『オトン』に変化をもたらすべくこのチャレンジを始めたが、本当に変化をもたらせたかったのは『オトン』と『ボク』の間にあった微妙な空気だったのではないだろうか。 このチャレンジを通じて、著者自身が意図的に距離を置いた過去の自分と今の自分を繋げようとしている姿も垣間見える。これはそんな『オトン』と『ボク』の物語。 読んだ後にはきっと親孝行がしたくなるはずだ。 あるいは地元のチームを応援してみたくなる人もいるかも知れない。 ほんの少しだけ何かを変えてみたくなる、そんなお話。 サッカーに興味のない人にも是非読んで頂きたい本である。 ↑以上が極力、出来る限り一般人として書いたレビューです。 ↓以下はNWサポーターとしての率直な感想。 率直な感想というか、率直に嬉しい。 昨シーズンは随分と苦しいシーズンだった。暗闇の中を走ってる気分だった。 あのクソ暑い夏、ガラガラの本城、ネガティブに陥りそうになる心を支えあって鼓舞しあって、精一杯やった。選手達も『頑張れ』と言うのが申し訳ないぐらい頑張ってくれた。 絶望的になってゆくリーグ戦、大学勢の独壇場だった福岡県代表の座を奪って本選に乗り込み、Jチームを倒そうと目論んだ天皇杯。 選手もスタッフも僕らもボロボロだったが、苦しかったけれど、精一杯やったシーズンだった。 成績も観客数も望んだ結果は得られなかったかも知れないが、何も恥じてはいない。みんな出来る事を精一杯やった。 そのJFL初年度を『オトン』を通じてこうして残してくれた吉崎エイジーニョ氏に最大級のリスペクトを贈りたい。 最終決戦のこのタイミングで昨シーズンを振り返るのはどうかと思ったが、結果的に僕のテンションは上がった。絶妙のタイミングで本を出版してくれたと思う。北九州の人達に是非とも読んで欲しい本である。 JFLや地域リーグのサポーター諸兄らにも是非読んで頂きたい。 本書の中で大ボス的扱いになっているベガルタ仙台のサポーターも張り切って買いなさい。諸君らが昨年、軽く捻ったつもりのニューウェーブ北九州というチームとそのサポーターがどういう集団だったか今一度確認するのだ。 あと、少し出しゃばりというか一つだけ個人的に補足を入れたい箇所がありました。 天皇杯二回戦重工長崎戦、バスツアーで小倉へ帰って来た時、『サポーターの一人が「じゃあね、お父さん」と両手を振ってくれた』という記述があるんですが、これ僕です僕。 これはよく覚えているんですが、その背景を補足したいと思います。ちゅーかさせて。出しゃばらせて。 小倉に着いた後にいつものようにダベっている時、ふと見るとエイジーニョ父子がすたすたと立ち去って行くのが見えたんです。 何かこう、寂しいというか、特にエイジーニョパパの背中にもう会えないような予感が漂っていて、思わず『お父さん!』と呼び止め、『ありがとうございました、またお願いします!』と言って頭を下げたんです。 すると父子に気付いた他の仲間達も一斉に『ありがとうございました!』と叫んでました。エイジーニョパパが手を挙げて応えてくれたので僕は手を振ったワケです。みんなで手を振った。みんなで、です。 まぁ両手で手を振るバカっぽい仕草をするのは僕だけでしょうけど。 また来てくれるだろうかと少し心配だったのですが、本書を読むとあの直後、資さんでうどんを喰いながら『仙台へ連れて行け』と仰っておられたようで安心した次第です。あの一行の背景にはそんな事があったのだという補足でした。 画像注釈 *1枚目 『オトン、サッカー場へ行こう!』。珍しくケータイで撮影。 *2枚目 ツアーバス車内でのお宝争奪じゃんけん大会でゲットしたスパイクをフツーに履いてるエイジーニョ氏。なぜか随分と気に入っておられた。あれって確か吉野慎治選手のスパイクではなかったか。本書に吉野慎治の名前が出てきた時にそんな事を思い出した。 *3枚目 なんとなく。 PR |
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コメント |
確かに個性溢れる我が北九サポーターが多く登場しますね!吉崎氏が書いてるイケメンサポーターH氏は、うちのオカンがファンです長崎戦のテレビ中継で見掛けて以来すよ。アピールしとったら、書いてもらえとったかな?!とにかく秋田からの険しいロード、一蓮托生でチームを後押ししましょう!
【2009/11/0320:25】||TOMMY#92ca4cbf11[ EDIT? ]
Re:同感!
お疲れ様です。というか腹黒さんのファン??失礼ですがTOMMYさんのお母さんこそお疲れのご様子、シーズンが終わったら別府にでも連れ出して親孝行して下さい。
これで書こうと思ってた事は書き終えたので、次からはいよいよ秋田、TDK戦に向けて書きたいと思います。秋田に行けない分、秋田に行く人達の為に。総力戦です! |
北九サポでもあるという者です(いやホントに)。
あの仙台でのゲームで、北九(とサポ)を応援しリスペクトしていた仙台サポも確かにいたことを知って頂きたく。 来年はJの舞台に!ヤッサヤレヤレヤレ! 【2009/11/0519:48】||りべ#92ca4cbf3b[ EDIT? ]
Re:仙台サポであり
りべさん、コメント有難うございます。本城サブグラウンドから福岡、長崎から仙台へと続いた昨年の天皇杯はたくさんの人達の想いを乗せた旅でした。残念ながら仙台が終点になってしまいましたが、実りある旅だったと思っています。
仙台での土産話はたくさん聞きました。仙台のサポーターさん達とも交流があったと写真も見せてもらってます。次に仙台とやるときは是非、本気のベガルタ仙台とやりたいですね!その時は潜入工作をお願いし・・・いやいや。 |
ども。いつもの?刈サポです。僕も瑞穂ロック祭でエイジーニョから直接買いました。少し値切りましたが。知ってる人達が載ってるので親近感を感じました。なんか久々に本城行きたくなりました。まだ二回しかいってないけど。このネームはナックルショッカーさん(王将部部長)が付けてくれました。ぼくはラジコン部部長です。グダグダになりましたが残り4試合頑張りましょう。絶対残留します。おやすみなさい。
【2009/11/0523:57】||刈在秘兵#56abcc413a[ EDIT? ]
Re:無題
おお、カリヤさんお疲れ様です。刈在秘兵とはまた意味ありげなホーリーネームを授かりましたね。どう読むんでしょうか謎です。
瑞穂ロック祭・・・写真で見ましたが相当なヨゴレ・・・いや豪華なメンツだったようですね!ナックルショッカーさんが王将部部長ということは王将に連れて行ってくれるんでしょうか?こっちにはそうそう王将はありませんが本州遠征でお会いした時は是非お願いしたいもんです。 真面目な話ですが、FC刈谷もいよいよ勝負の時が来てますね。春先にお会いした時に「今年は厳しい。残留が目標になるかも」という刈在秘兵さんの予想が計らずも当たった形になりましたが、伝統あるチームと個性的なサポーター集団であるFC刈谷が意地と誇りと輝きを見せるのを遠くから見守っています。 |
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