愛するばっちゃまのピンチに気もそぞろ。もはや声を出す事も難しくなったばーちゃんに僕が出来る事は、ただ手を握りしめる事だけである。どうか苦労に満ちた人生の、せめて最期の瞬間には孤独を感じないように、笑えるように。

病院を後にして本陸へ向かう。男たるもの全てにおいて全力であれ。
雨に濡れても良い装備を用意していたが、苅田・行橋・香春では雨は降っていないし、降りそうにもない。雨は杞憂かと思われたが、本陸へ着いた時には土砂降りになっていた。

車を停めるとずぶ濡れの半裸の男がニヤニヤと僕を見ている。なんだろうか、ケンカを売られているのだろうか。しかし、なんというか、こう、別の意味での危険人物にも見えた為、あえて目を合わせないようにした。

するとそのアブない男が不気味な笑顔を浮かべながら車の中を覗き込んでくる。『なにこの人こわい』と思いつつよく見るとマイフレンドOGY氏であった。
いつもと違う車、いつもと違う服装（というか半裸）で全く気付かなかった。ゴメンよOGY、僕は一瞬でもキミを変質者だと思ったさ・・・。

画像は駐車場内にいるずぶ濡れの半裸の男達が、バックスタンドのいつもの面々であると気付いて隠し撮りしたもの。この天気でもフットサルやっていたとは。しかも見るたびに本格的になっている気がする。


競技場内で横断幕を張って戻ってくると、入場口前は結構な賑わいになっていた。あいにくの空模様だが浴衣デーということで浴衣を着てこられた御仁もちらほら見受けられる。

『あと30分で雨は上がる』と豪語する社長殿は、雨の中で傘もささずにスタッフや選手、お客さんの出迎えをしている。
我々も試合前には雨は止むだろうと不思議と確信にも似た気持ちでいた。北九サポーターの中には冗談抜きで晴れ男か晴れ女がいるのだ。誰かは判らないが間違いなくいる。事実試合前にはいい具合の空模様になっていた。

画像はしっかり浴衣で参加のFちゃん（本当に伏字にする必要があるのだろうか）。声を掛けて撮影するとポージングを決めてくる悪いクセがあるのでこちらも隠し撮りである。女の子は自然体の笑顔が一番良いのだ。

画像の右上にシルオ氏の顔半分が見切れて心霊写真っぽくなっていたのでモザイク処理を施した。逆に卑猥な感じになってしまったがキリがないのでそのままアップロード。


直前まで雨が振り続けるという状況ながら、それなりに観客もいたような気もする。

個人的には中途半端な天気で1000人程度しか入らないぐらいなら、もう土砂降りの豪雨になって観客数３００人ぐらいで、尚且つ鳥取にも激勝して伝説的な日になってもいいかな、なんて不埒な考えも頭をよぎったが、この試合が非常に重要であるという事を多くの人が認識していたという事だろう。

少なくとも何度も本陸に来ている人達はそうだったのだ。

'09JFL後期第7節
ニューウェーブ北九州　０－０　ガイナーレ鳥取

リーグ戦として見れば3試合連続で引き分けというのは危険である。すぐそこまで来ている中位グループの息遣いが聞こえてきそうな距離にまで縮められるだろう。

ただこの試合だけをとって見ると、非常に緊張感のある良い試合だったように思う。特に後半のトップスピードでの攻防戦は、選手の筋肉の躍動や心臓の鼓動が聞こえてきそうなほどに見応えのあるものだった。

鳥取のペースで進んでいたようにも思うが、それでもこちらも佐野選手を中心としたパスワークからチャンスを作り出し、相手ゴールに迫るシーンも見られた。

幾度も繰り返されたハメドの突撃にも数的優位を作って壁になって防いでいた。一人が突破されても別の誰かが体を張って止める。鳥取の選手がボールを持った時に猛然と襲い掛かる北九州の選手達の気迫。それこそが『プレッシャー』であり、JFL屈指の防御力を持つ北九州の強みである。

とはいえ正直、勝ちたかった。今日の鳥取には勝てると思った。
しかしスコアレスドローに終わったというのは、きっと何かが足りなかったのだろう。その何かが見つかって、ぴったりとはまればNW北九州に勝てるチームはJFLにはそうはいないはずである。

この試合は北九州にとっても鳥取にとっても、勝ち点３を取り損ねたが負けなくてよかった、というのが本音ではなかろうか。
これで対ガイナーレ戦績は0勝１敗3分け、JFLでは勝てなかった。なに、これから先、幾らでもチャンスはある。上の舞台で借りを返そうか。


さて、今節、他チームの結果次第では我々のいる第２グループと真後ろにいる中位グループとの差が縮まって混戦模様に拍車を掛ける事になるのだろう。

次は間に天皇杯を挟んで、Honda FC、MIOびわこ草津、V・ファーレン長崎と難しい相手が続く。この3チームとも現在は中位グループに位置しているが、対戦時には蹴落とし合いの『決戦』のポジションにいるかもしれない。むしろその可能性が高い。

今年は最後の最後まで安心出来ないシーズンになっているが、我慢比べは覚悟の上、本当の意味でのチームになれていたとこだけが残るというだけの話。そしてそのチームはNW北九州であると確信している。胃がキリキリと痛むような試合が続くが、最後まで見届けたいと思う。

クライマックスまであと少し。
『ニューウェーブ北九州』という名称では最後の年、JFLの歴史にその名を刻んでやろう。目指すのは優勝である。